ハンド・メイド

手仕事とか手作りいう言葉が好きだ。人の手が関わってできるものは、それが身につけるものであれ、口にするものであれ、身近で使うものであれ、どこかにやさしさが見え隠れする。今の時代、なんでもお金を出せば手に入るけれど、時間をかけて人の手が仕上げた仕事は限りなく貴重だ。

手作りロースハムというわけで、今「ロースハム作り」にチャレンジしている。きっかけは、鎌倉のカジュアルフレンチの店で食べた自家製ロースハムがとびきりのおいしさだったこと。あのハムの味をなんとか再現したいという切なる思いに駆られたからだ。わけのわからない添加物は一切入れず、国産ブタのロースを塩漬けして肉に残る血や水分を除き、塩、砂糖、ハーブ、香辛料をいれた液に漬けて待つこと1週間。それを少し塩抜きしてから、約1時間桜チップで燻製にする。仕上げは75度で1時間半茹でて殺菌したら出来上がり。これを、一度自分でレシピを見ながら作ってみたが、出来上がったハムの味は上出来だったもののいまいちこれで確かにいいのかという手ごたえがない。
そこで友人のつてで、ハム名人にご教授願うことになった。ハム名人の本職は建築家なのだが、もう何人もの俄ハム職人を育てているらしい。その日は友人たち4人が、先生の家のある最寄りの駅、港南台に集合。わたしは仕込んだ豚肉を友人の分まで持ち、さらにはお土産のホールのケーキまで持っていたので両手に荷物でよたよた。でも友人たちもなにやら重そうな荷物を持っている。
ロースハム作りさて、先生の家では燻製も茹での用意も万端整っていた。まずはご挨拶。そして用意した豚肉をさらしで巻いてタコ糸で縛るやり方をお勉強。各自自分の豚肉に目印をつくりいざ鍋のなかへ。これから1時間半80度前後の湯温をキープして殺菌する。肉の中心が65度になったら完璧に殺菌できるのだそうだ。湯温の管理は意外と簡単で、湯の表面に温度計を指し上がりすぎたら水をさすのだが、先生は案外ほっといても大丈夫だからといってさっさとテーブルに料理を並べている。待つ間はパーティータイムというわけ。件の友人の大荷物にも料理やらワインが入っていて次々にテーブルに並んでいる。先生は最後に大きな皿に先生作のロースハム、牛肉の燻製、鴨の燻製をだしてくれた。これがどれも絶品で、ワインによく合う。おいしい料理に楽しい会話であっという間に茹でが終了。
さあさあ次はお待ちかねの燻製タイム。先生の燻製の優れモノはバー状になったスモークウッドだ。わたしが使っていた燻製チップと違って、バー状になっているからガスコンロにかざすだけでもくもくと煙があがる。それを冷燻ならそのまま、温燻なら下にカセットコンロでもIHでも入れて温度を足せばよい。燻製1時間の待ちタイムはまたパーティーの続き。こんな楽しいお勉強はめったにあるものではないよね!
帰りは各自が仕上げたロースハムを意気揚々とぶらさげて帰った。因みに、できあがったロースハムはすぐ食べるのではなく、一晩冷蔵庫で寝かせて翌日から食べられるとのこと。プリプリのロースハムを翌朝早速試食したのはいうまでもないだろう。

珈琲豆カフェのハンド・メイドといえば、やはり珈琲豆の焙煎をいちばんにあげねばなりません。オーナーの珈琲への傾倒ぶりは尋常ではなく、それこそ毎日焙煎してます。それも毎日自分で課題をつくっては少しずつやり方も変えたりして、満足するということがありません。珈琲を飲んでくれたお客の反応もいちいち気にしてます。それもこれもいつの日か珈琲の名店といわれるカフェになりたいという野望があるからなんですよ。わたしたちのカフェで珈琲を飲まれることがあったらぜひ感想も聞かせて下さいね。

Lillian

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